綱島慕情

横浜 - 渋谷

桜 / ラストタンゴ・イン・パリ / ヒッチコック

会社帰りに恵比寿から中目黒まで歩く。

金曜ということもあり、花見のひとでごった返していたが中目黒の桜はやっぱりきれいだった。土曜日、学芸大学の古本屋「流浪堂」でヒッチコックの本を買い込み、恵比寿に。

ラスト・タンゴ・イン・パリ」のデジタル・リマスターの上映があるとしりかけつけたのだ。以前にもみたことがあるが、序盤で退屈になりそのままレンタルを返却してしまった。問題作、衝撃作と言われるが結局ピンとこないまま10年以上が過ぎてしまった。40をゆうに超えれば楽しめるのだろうか。劇場はまばらで良い席でみることができた。

途中、やっぱりピンとこなくて寝てしまいそうになるが、今回は最後までみれた。確かによかった。なにが楽しめた要因なのかって、ノーランがインセプションで大いに参考にしたというっていたのを聞いたがまさにというかんじであったところ。撮影場所もインセプションで出てきたところであったし、なにより古いエレベータを演出でつかうところもそうだ。しかし、フランスは絵になる街だった、街全体が映画のセットのようだった。ウッディ・アレンの「ミッドナイト・イン・パリ」でもフランスの町並みはよかった。自分にフランスの町並みが素敵だという感情があるとは到底思えなかったのだがこれも老いというものだろうか。マンションの古びた家具もすてきだった。

あと、序盤から一気に2人の関係がたかまり、終盤一気に冷めていく展開が人間的だったところ。なにかに惹かれるのはミステリアスだったり、気になったりして感情が持って行かれる、それを惹かれるなどというのだろうけど、全部しったら、しってしまったらだいたいにおいて退屈でどうしよいもない、どこにもいる人間同士であってそれは、「惹かれる」に値しなくて最終的に途方にくれるのだ。

最後、マーロン・ブランドが噛んでいたガムを口から出して手すりにつけるのはアドリブだったとかなにかで読んだ気がする。あれはどういう意図があるのだろうか、いやないのかもしれない。そんなところもありみる前、みた後も想いが巡る映画だ。